ちょっと潔癖症ぎみの私の友人きみちゃんの話です。
きみちゃんはペットを飼うなんて論外のレベルでした。
友人の家で飼っている猫や犬が自宅に排泄物をまき散らしたり、それをティッシュで拭き取って平然としていたりするのを見て「私にはぜったい無理」だと言っていました。
そんなきみちゃん家に大事件が起こりました。
遠方で一人暮らしをしていたお母さんが、きみちゃん夫婦と同居することになったのです。
問題はお母さんではなく、お母さんの飼っているインコでした。
できればどこかに預けてほしいと、お願いしたそうですがお母さんは断固として譲りません。
こうして、きみちゃん夫婦と母親、インコ一羽の共同生活がはじまったのです。
「それほど、長生きする動物じゃないから・・・・」というご主人の慰めの言葉も耳に入らず「面倒なことになった」と感じながら、「掃除と世話はお母さんがする」という条件で妥協したそうですが、心中穏やかではありません。
犬や猫ほどではありませんが、排泄物や抜けた羽などで部屋が汚れるのは必然。
エサ代があまりかからないのは魅力とはいうものの、鳴き声はけっこう響きます。
もちろん、最初はまったく可愛いとは思えなかったそうです。
しかし、日を追うごとにきみちゃんの意識が変化し始めました。
はじめに心地よいと感じたのは鳴き声だそうです。
朝の食卓に小鳥の声が響くのはなんとも心地よいものらしいです。
おまけにお利口なインコなのでおしゃべりも上手みたいで、はじめて発した言葉は「ホーホケキョ」というウグイスの鳴き声♪。
どこで鳴いているのかと思って窓を開けて探し回った挙句、インコが鳴いているのに気づいて大笑いしたそうです。(^^)
以前お母さんの住んでいた場所では盛んにウグイスが鳴いていたため覚えたようです。
お母さんの口調をまねて「りんご、ちょうだい!」「いらっしゃいませ」などと話すかと思えば、「僕、ぴーちゃんです」「羽衣いんこです!」などと自己紹介までしちゃうそうです。
新しいすみかにも早速適応したようで、ご主人のくしゃみやきみちゃんの「おかえり」という声まで、そっくりまねします。
面白くなって、いろいろと話しかけているうちに、少しずつ愛情がわいてきたみたいですよ。
よく見てみると、黒目がちの丸い目に、ほわほわした黄色い羽毛が特徴的で、なんとも愛くるしい外観をしているとも言っていました。
はじめはインコのほうも警戒していましたが、しばらくすると、きみちゃんのことも飼い主だと認識したようで、帰宅すると甘えたような鳴き声を出して、近寄ってきて、手乗りもしてくれるようになったそうです。
さらに可愛いのは頭を撫でてほしい時には、頭を下げて「ここを撫でて」というように近づいてくること。体が小さいので、小指などで撫でてやると、気持ちよくてたまらんといった恍惚の表情を浮かべるそうです。
また、人が話すのを聞くのが好きなようで、口のあたりまで近寄ってきては「おしゃべりして」とでもいうように口元をつつくので話かけてやると、じっと聞いているのが可愛いとか。
「よくもまあ、これだけ変われるもんだ」とご主人にもお母さんにもあきれられていたようですが、今ではきみちゃんがこのインコのぴーちゃんを誰よりも可愛がっています。(●>艸<)
潔癖症はどこへやら、排泄物や抜けた羽の掃除も一向に苦になりませんし、人に預けるなんてもってのほかで、旅行にも連れていく可愛がりようのようです。
以前「長生きしない」と言ったご主人の言葉を、今は逆に心配していました。(>_<)
きみちゃん曰く、なによりペットを可愛がることで最高の癒しの時間♪を得られたそうです。
ペットなんて無理と思っている潔癖症の方、一度試してみてもいいのではないでしょうか。
案外、ペットなしでは生きられなくなるかもしれませんよ。(*^_^*)