毎年、初夏になると必ず梅をつけることにしています。
スーパーに梅が並び始め、次いで紫蘇の葉も並ぶ頃ともなると「ああ、梅仕事の季節だなあ」と思います。
いつもお世話になっているお店に足を運び、南高梅の大きいものを求めます。そしてミネラルたっぷりの塩も。買ったばかりの梅を傷つけぬようにして家に帰り、早速洗い始めます。
水気をキッチンペーパーで優しく拭き取り、しばし部屋の中にて乾燥。
その間、南高梅の甘い香が家中に広がるのです。
消毒した大きめの硝子瓶の中に梅をそっと置いてゆきます。
その梅の上に塩を振りかけます。
その作業を何度か繰り返し、蓋を閉め、作業終了。
そのあとは梅酢が上がってくるのを待つわけですが、本当に不思議ですね、まるで約束していたかのように、きちんと梅酢が出てくるわけです。
しかもたっぷり。
その上に揉んだ紫蘇の葉を置くのですが、紫蘇の葉を置いたとたん、梅酢がぱぁっと鮮やかな色に変わるのですね。本当にきれいなんです。
毎年、毎年、同じような作業を繰り返しているのですが、この紫蘇を置く瞬間が一番好きです。結婚しましてからずっと梅をつけていますが、なかなか上手くつけることが出来ません。
梅干しの皮が固くなったり、異常に塩辛くなってしまったり。
けれど、毎年つけ続けることが何より大切なことだと、自分なりに一生懸命つけています。
台所を見渡しますと、梅干し瓶の隣には「にぎやか梅酒」。
梅の他に杏やすももも一緒につけ込むわけです。
杏を一緒につけますと梅酒の色が本当にきれいになるのですよ。
まるで春の夕焼けの色なんです。そしてその梅酒の隣には「梅シロップ」。
これまた初夏の我が家にはなくてはならないもの。
梅と氷砂糖とで作るものですが、炭酸水で割っていただきますと、梅雨時の鬱陶しさをしばし忘れることができます。
確かに梅仕事は大変なものではありますが、出来上がったときの達成感、そして家族の笑顔を思いますと、今年も頑張ってみようかなと思うわけです。